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山陰広告賞2025
受賞作品

 

【講 評】
山陰広告賞 審査委員長
日下慶太

 
今年は、最多の応募となりました。
それもこれもみなさまと、募集ポスターを作っていただいた2024年度の新人賞の野津さまのおかげです。ありがとうございます。
量が増えれば質が下がるが世の常ですが、質も上がっています。
 
応募作品はどれもこれも工夫があったし、一見普通に見えてもなんとか予定調和に終わらせぬようにともがいた跡がありました。
 
あと、もう1つ、山陰広告賞には言葉が足りないと言っていたのですが、今年は、言葉にチャレンジしてくれている作品も増えていました。
 
というわけで、山陰広告賞はネクストステージへ行きましたね。
これからますます期待!それでは各作品の講評にいってみましょう。


【山陰広告賞グランプリ】

 

 
 
 
 
中村ブレイス 創業50周年企画
 
広告主=中村ブレイス(株)
制作者(社)=6B
 

ポスター、パンフレットと応募がまたがっていましたが、もうこれは複合の金賞だろうということになり、いやー、でも、、グランプリでしょってなりました。
50年間、さまざまな人を支えつづけた中村ブレイスをやさしく支える広告でしたね。
谷間に広がる霧のように、やさしさがしっとりと作品の隅々に広がっていました。
 

 
※画像で紹介しているのは作品のほんの一部です。ぜひ上記リンクからご覧ください。

 


【山陰広告賞準グランプリ】

 
石見銀山デッサンドールズ プロジェクト
 
広告主=6B/すがもりピアノ教室/龍泉山 西性寺
制作社=6B
 

デッサンドールはもちろん、そこだけに終わらないお寺やピアノ教室も含めての準グランプリです。
町の住人をデッサンドールにして、そして、そこでアイデアを終わらせるんじゃなくって、それぞれのお店の広告にしたり、物語を紡ぎ出しています。そして、しっかりとデザイナーである小野さんがコピーライターとして言葉も仕上げていたのもよかったです。

 


【地方創生賞】

島根県立大社高校野球部
甲子園出場記念紙面
 
広告主=(株)山陰中央新報社
制作社=(株)山陰中央新報社/(株)SAIDO/(有)山陰エスピープランニング/(株)山広
 

広告表現としてどうか、という議論にはなったのですが、この応援広告があの躍進の要因の一つだったという意見もありました。地域一丸となった応援に一役買った広告です。大会の後の広告もあればさらに上位にいけたかな。
 

 
 
 

 
 
 
 
鳴門市新市庁舎開庁記念展示
建築家内藤廣
「赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」展示映像
 
広告主=鳴門市
制作社=(株)益田工房
 

作品そのものがまず見応えがあるものでしたが、誇らしい庁舎ができることによって醸成されるシビックプライドまでを描いていました。ハードの建築を描くことによる地方創生、こういうのは今までなかったですね。あと、ハードの建設は兵庫県庁など、反対意見も多くあります。しかし、こういった形で表現することは説明責任にもなる。素晴らしいものでした。
 

 
 
 

 
 
 
 
ジロー今村卒業公演
デジタルサイネージ
 
広告主=ジロー今村
制作社=渡部印刷(株)
 

ひとりの地域おこし協力隊の卒業にここまでするか?これもまた新しい地方広告のあり方ですね。ジローさん、愛されてたんだなあ。卒業おめでとうございます。

 


【新人賞】

藤江哲也
(有)パリティクラブ

 
圧倒的で文句なしの藤江さんでした。質と量、さらにはアーティストとしての自分も捨てない自作のZINEまでありました。今後の藤江さんがとても楽しみです。

 


【クリエイター特別賞】

 
(株)益田工房

 

グラフィックやパッケージが多い印象の益田工房ですが、今回は労力あふれる動画作品も何点かあって、しかも、それがクオリティ高い。賞には入っていませんが、島根大学医学部の動画もよかった。様々なクリエイティブ領域、そして、地元益田から隠岐から鳴門市まで様々な地域で活躍、素晴らしいです。

 


【写真賞】

 

 
 
 
 
 
 
 
1 DAY
 
広告主=一畑電車(株)
制作社=(株)あしたの為のDesign
 

こういう美しい映像の最後に言葉を載せてほしい。これが、審査委員長の切なる願い。
映像は、めっちゃいいねとのことで写真賞になりました。

 
 

 

部門賞

 
 

新聞・雑誌

 
金賞

 

飲酒運転ゼロプロジェクト
「軽い気持ちの代償」
 

広告主=協賛各社
制作社(者)=(株)山陰中央新報社/(株)SAIDO
 
長い文章ではありますが、読んでから絶対に飲酒運転はやめようとおもいました(したことないですが)。新聞だからできることですね。ごくごく普通の人が事件を起こしていく様が本当にリアルで、誰にでもありうる。言葉が使えないなら誰かの書いたものを使ってもいいと思います。

 
銀賞

 

良い加減に、
いいかげん。
 

広告主=(株)佐々木建設
制作社(者)=(株)山陰中央新報社/(有)パリティクラブ
 
ワンビジュアル&ワンコピー、これが広告の基本です。そのビジュアルとキャッチコピーも双方強くて素晴らしかったです。「いい加減」という言葉、ネガティブにも捉えられかねないから反対もあったかとは思うのですが、思い切ってチャレンジしているのがよかったです。建設業の広告がここ数年多いですが、これは一つ抜けていました。


テレビCM

 
金賞

 

荒木燃料
三代選手振り返り 篇・三代選手 篇
 

広告主=荒木燃料(株)
制作社(者)=山陰中央テレビジョン放送(株)/(株)TK WORKS
 
海外の映像会社が作ったの?と思うような高いクオリティ。そして、スポンサードしている選手を広告塔としてきっちり活用していることも新しかったです。今まで山陰広告賞になかったタイプのものでした。

 
銀賞

 

コダマサイエンス
シロアリ女王 篇
 

広告主=(株)コダマサイエンス
制作社(者)=(株)マレット・オブ・ラック/(有)あっぷるはうす
 
シロアリを貴婦人と息子たちにしたアイデアでもう勝負ありでしたね。何度も見てはまってしまいました。短い間に様々な情報と登場人物がいるのですが、すっと入ってきます。


ラジオCM

 
金賞

 
「優しい一歩を踏み出そう!」
 

広告主=(株)エフエム山陰
制作社(者)=(株)エフエム山陰
 
昨年もありましたが、このシリーズいいですよね、本当に一歩踏み出せそうなんです。行動を起こさせる気にさせるってとても難しいんですが、ただ啓蒙するんじゃなくて「絶対に行動を起こさせよう」という製作者の気概を感じるよい広告です。

 
銀賞

 
「以呂波」(松江/居酒屋)
 

広告主=以呂波
制作社(者)=(株)エフエム山陰/(株)T.T.C
 
メニューを野球にしたのはおもしろいんですが、野球もののラジオCMって結構あるので、もう少し言葉選びを野球実況で使いそうなものにできたらもっとよくなったと思います。


ポスター・アーバンアド

 
金賞

 

MATSUE Tech-Product
Award 2025 ポスター
 

広告主=MATSUE Tech-Product Award 実行委員会事務局
制作社(者)=(有)パリティクラブ
 
グラフィック、かっこいいで終わっちゃいそうなんですが、そこに入っている言葉もそれぞれいいし、しかも、グラフィックを壊さずに丁寧にレイアウトされています。ずっと飾っておきたくなるいいポスターです。

 
銀賞

 

出雲なんきん
ポスター
 

広告主=Shinbi
制作社(者)=(株)SAIDO
 
言葉がずどんと前に出た、山陰では珍しいポスターです。しかし、ビジュアルも言葉を支えながらも美しく存在している。情報量が多いのですが、ついつい読み進めてしまう広告設計も素晴らしいです。


パンフレット

 

 
金賞

 

365日楽しめる出雲
「聞き書きIZUMO365」
 

広告主=出雲市
制作社(者)=(株)あしたの為のDesign
 
観光パンフレットのリニューアルから出発したそうですが、もうお金を出して買いたいレベルの出雲パーフェクトガイドですね。企画がいい、写真がいい、文章がいい。都会の編集プロダクションにお願いするよりもはるかに高いレベルだし、住んでいる人しかわからない情報の解像度。その労力に脱帽です。

 
銀賞

 

企画展「落合朗風展」
観賞ガイド
 

広告主=島根県立美術館
制作社(者)=松陽デザインラボ
 
美術展の紹介パンフレット、普通にしようと思えば普通になってしまいます。でも、子どもも、そして、きっと大人も興味を持つように、あの手この手で工夫していている。そういった制作者の気持ちが伝わりました。


SP

 

 
金賞

 

安部榮四郎記念館
カレンダー2024
 

広告主=安部榮四郎記念館
制作社(者)=渡部印刷(株)
 
いつも出品してくれるカレンダー、いつもハイクオリティなんですが、今年は特にかっこよかったです。

 
銀賞

 

enherb 2024『毎月届くハーブのある暮らし便』
DMデザイン(商品説明)(お手紙)
 

広告主=(株)コネクト(ハーブ専門店enherb)
制作社(者)=(有)パリティクラブ
 
もらってうれしいポストカード。そして、裏にはハーブティーのレシピだったり、季節の文章だったりと、丁寧に生きるユーザーに届きそうな丁寧な作品です。


パッケージ・プロダクト

 

 
金賞

 

島根スサノオマジック
シーズンシート特典チケット・グッズ
&バッシュケース型BOX
 

広告主=(株)バンダイナムコ島根スサノオマジック
制作社(者)=松陽デザインラボ
 
このシーズンチケットきたらあがるでしょ!下駄箱にずっと飾っとくでしょ。バスケの王道を行きながら、シーズンチケット買ってよかったって心から思う作品です。

 

 
銀賞

 

ジャーニーオンルート191アイス
 

広告主=空と小さな屋根の農園
制作社(者)=(株)益田工房
 
スッキリとしたデザインが多い山陰ですが、言葉だらけの変わったパッケージ。アイスを食べながら読むのにはぴったりの文章と文章量。アイスを食べる人の行動もデザインしていると思いました。


デザイン

 

 
金賞

 

奥出雲町
ロゴデザイン
 

広告主=奥出雲町
制作社(者)=(有)パリティクラブ
 
この部門はいつもハイクオリティの激戦でした。言葉があったこと、住民とのワークショップの結果であることが金の要因でした。ワークショップをして住民の気持ちを導き出すこともデザインですから。

 
銀賞

 

有限会社アサヒ技研工業
事業承継の為のリブランディング
 

広告主=(有)アサヒ技研工業
制作社(者)=(株)ティーエム21/(株)あしたの為のDesign
 
こういう昔つくったけど、今の時代に合わなくなったものって結構ありますよね。だから、ロゴを全く違うものにすることが多いのですが、これは元のを大切にしながらリニューアルしている。分断しないデザイン、素晴らしいです。


動画

 

 
金賞

 

人口600人の島の挑戦
 

広告主=鳥取県交通対策協議会
制作社(者)=(株)MagicPlus
 
女性がいきなり歌って、警察官がラップを始めてもうカオス!そして、ヘルメットはダサくていやだなと思う私の心にもそのリリックは届きました。

 
銀賞

 

なかむらりょかん
リニューアルCM
 

広告主=なかむらりょかん
制作社(者)=中村組
 
低予算で安い演技に安い効果。こういうあえて安っぽさを表現するって、簡単なようで難しいんです。全作品で毛色が異なるこのCMに賞をあげたかった。


インタラクティブ

 

 
金賞

 

令和6年度 公式SNSを活用した
観光情報発信事業
  X Tiktok

広告主=島根県商工労働部観光振興課
制作社(者)=アイム(株)
 
こつこつとした莫大な投稿。でも、ひとつひとつ抜かりなくて質が高い。その積み重ねがあるから、数万のフォロワーがいるのです。誰もがやりたいSNS施策だけど、なかなかできない。私も見習いたい。

 
銀賞

 

山陰総業有限会社
コーポレートサイト
 

広告主=山陰総業(有)
制作社(者)=アイム(株)
 
会社と現場の熱量をそのままサイトに表現していました。かっこいい。製造業や、建築業の作品はたくさんあったのですが、このサイトは一つ抜けていました。若い人も門戸を叩いてみたくなる。


イノベーション

 

 
金賞

 

白石家Immersive
白石家オリジナル山陰の四季
プロジェクションマッピングショー

 
広告主=出雲・玉造温泉 白石家
制作社(者)=白石家オリジナル山陰の四季プロジェクションマッピングショープロジェクトチーム
 
ホテルのラウンジでこんなのあったらもう来てよかったって思いますね。1年かけて制作した美しい映像はもちろん、その表現の舞台も最高でした。
 

 
銀賞

 

SHIJIMI MONSTERS
 

広告主=(株)リバティソリューション
制作社(者)=(株)SAIDO
 
なんだか効きそうな得体のしれなさ。そして、表現まで結構ぶっ飛んじゃってますね。私がUFO好きだから選んだわけじゃありませんから。


複合

 

 
金賞

 

日本酒バー DARUMA 

 
広告主=日本酒バー DARUMA 
制作社(者)=(株)あしたの為のDesign
 
数十種類のダルマ。店舗に散らばるダルマ、ジョッキにもダルマ、複合ダルマでございました。カウンターにあるびっしりと書かれた文章もかなりよかったんですね。

 
 

 
銀賞

 

誰もが、誰かの、たからもの。
 
 
 

広告主=島根県
制作社(者)=(株)山陰中央新報社/(株)SAIDO/(株)エフエム山陰
 
ずっと続くシリーズなんですが、新聞もラジオもいいんですね。綿密な取材がなせる技だと思います。来年、このシリーズは賞があげにくくなっちゃうから、さらなる飛躍を期待してます。


 
 
◎作品展示情報

2025年
3月12日|水|~3月17日|月|

10:00 ~ 16:00 ※最終日は15:00

島根県立美術館

松江市袖師町1-5 ギャラリー
TEL(0852)55 - 4700
 
 
 
 
出品者の方の搬出は
2024年 3月18日|火|
10:00 ~ 12:00(時間厳守)
※島根県立美術館
 
 
表彰式・講評会
山陰広告協会定時総会懇親会席上(2025年6月開催予定)

 
 

 
 

審査委員長

 
 
 コピーライター・写真家
日下慶太 氏 
 Keita Kusaka
 

1976年大阪生まれ大阪在住。コピーライターとして働きながら写真家、UFOを呼ぶためのバンド「エンバーン」のリーダーとしても活動中。
商店街のユニークなポスターを制作し町おこしにつなげる「商店街ポスター展」の仕掛け人。2021年に20年間勤めていた電通を辞めてフリーに。著作に自伝的エッセイ『迷子のコピーライター』(イーストプレス)、写真集『隙ある風景』(私家版)。佐治敬三賞、グッドデザイン賞、TCC最高新人賞、KYOTOGRAPHY DELTA Awards、造本装幀コンクール日本印刷業連合会会長賞ほか受賞多数。 
 
 


 
 


 
 
主催:山陰広告協会
協賛:山陰中央新報社、BSS山陰放送、TSKさんいん中央テレビ、日本海テレビジョン放送、エフエム山陰
後援:島根県、鳥取県、松江市、米子市、松江商工会議所、出雲商工会議所、安来商工会議所、米子商工会議所、境港商工会議所、鳥取商工会議所、島根県商工会議所連合会、鳥取県商工会議所連合会、NHK松江放送局、NHK鳥取放送局、朝日新聞松江総局、読売新聞松江支局、毎日新聞松江支局、日本経済新聞社松江支局、産経新聞社、中国新聞社
協力:山陰広告協会会員各社
 
 


 
 

山陰広告賞について

 
広告文化・技術の向上と地域振興を図ることを目的に「島根広告協会」が、1977年「島根広告コンクール」を開催したのが「山陰広告賞」の始まりです。
1983年に広告技術の一層の振興を目指して電通から審査委員長をお招きし、名称も「島根広告賞」へ変更。さらに2019年には「山陰広告協会」へ改称し、山陰両県を対象とした「山陰広告賞」として実施することになりました。
毎年、その前年1年間に山陰で制作された広告を集め、その中から優れた作品を表彰し、一般にも展示いたします。